2012-01-01から1年間の記事一覧

何にもない町

(再開した蕎麦屋さん『てらっぱだげ』より見た町の風景) 『詩集ノボノボ』より何にもない町 雄勝(おがつ)に行ったのは 実は 生まれて初めてだった 同じ宮城県人なのに 恥ずかしい この日は 川に誘われた 多くの支流を呼び込み 満々として 喫水を超えそう…

ほほえみ食堂

(杉浦日向子『江戸アルキ帖』より) 『詩集ノボノボ』よりほほえみ食堂 そば屋さん? らしいんだ でも 普通の定食も出すんだよな〜 バイパスに新しくできた食堂 今日は二回目だ この前は とっても感じよかった 今日は もっとよかった この前と ほほえみ度数…

子どもの世界

『詩集ノボノボ』より子どもの世界 子どもは正直だ 産まれたまんまだ 子どもの様子を見ていると 思い知らされるな〜 わが身の原点を まず 子どもは食い意地がとても強い 間もなくクリスマス ケーキにナイフが入る瞬間 ぐぐっと身を乗り出す オオカミのような…

ストーブ売り場で

『詩集ノボノボ』よりストーブ売り場で ボーナスは たぶんまだのはずなのに 郊外の電機屋さんは 人でいっぱい どういうわけか店内は ボーナスに関係なさそうな おっちゃん、おばちゃんが大半だ ストーブ売り場が大混雑 かくいう私も 父に頼まれ買いに来た 安…

ランドセルの詩

『詩集ノボノボ』よりランドセルの詩 ぴっかぴっかのランドセル いったい何が入っているか 知っている? 私はこの歳で知った いや 思い出した それは「夢」だった それを知ったのはゆうべ 突然頼まれ 老ベビーシッターの私 上の孫が 満面笑みで 押し入れから…

じゃんけん戦争

『詩集ノボノボ』よりじゃんけん戦争 人間はとっても野蛮になる 子どもから 大人になると 思い出してみた 子ども時代の勝負ごと 勝ち負けって どんなふうにして決めたっけ じゃんけんで決めたよな 殺し合いなんかしなかった あたりまえだって? なら 大人の…

ばあちゃん食堂

『詩集ノボノボ』よりばあちゃん食堂 おととい スタッドレスに交換した ずいぶん早いな? わけがある あした 私はもみじ号の運転だ 乗客はといえば 親父に 元親父の同僚女先生二人 みんな八十以上の一人暮らし きっと 若いと言われるな あたりまえだが 栗駒…

お昼の風景

(北斎漫画より) 『詩集ノボノボ』よりお昼の風景 昼めしどき いったいどこにいるんだろう? 仕事熱心な男たち 私の昼食場所は どの店行っても おばさんばっかり いや ヤンママ集団もたまにいるな これはきっと おばさん化してきたんだ この俺が ま〜 いい…

いくさの話

(香月泰男 かづきやすお シベリア・シリーズ「点呼」) 『詩集ノボノボ』よりいくさの話 もう何百回 聞いたことだろう 父の戦争体験記 シベリア抑留記 そして帰国後のあれこれ とまどいを 終戦の前の年 学徒動員やらで 貨車に 貨物船に 家畜のように積みこま…

焼き鳥のけむり

『詩集ノボノボ』より焼き鳥のけむり たまにしか行かない近所の居酒屋で 焼き鳥を焼いてもらった 帰ってきたら 体が焼き鳥のけむりくさい たった二串だけなのに 十数年前を思い出した あれは駅前の小さな居酒屋 私より一つ上のおばさんがやっていた たまに一…

緑の絹をつらぬき通す

『詩集ノボノボ』より緑の絹をつらぬき通す 「金色の光の針は 緑の絹をつらぬき通す」 で、始まる詩を書いた あれは高校二年 国語の時間 「みんな外に出ろ 詩を作ってこい」 と、先生が言った 光まぶしき初夏の あの日 芝生に寝転び 空を見ながら想を練った …

すべり台の子供たち

『詩集ノボノボ』よりすべり台の子供たち さわやかな秋の昼 公園まで歩いて行った 途中レッドロビンの生垣に 季節はずれの色とりどりの朝顔が 一緒にきれいに咲いていた 人通りがほとんどない小路は とっておきのあれこれを見せてくれる たまに通る人への大…