人間もアンドロイドも同類だな〜


(映画「ロボジー」より)

『詩集ノボノボ』より

人間もアンドロイドも同類だな〜

 私は現在、股関節の障害で自宅療養中。。。

 具合の悪いことは重なるようで

 数日前に 高齢の父がタンスに衝突

 脇腹を強く打撲した

 なので(私が)整骨院に行った帰り

 父の湿布薬を買ってきた

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 さらにその日は孫娘まで耳下腺炎

 看護婦役の女房と孫娘

 それに折良く帰省していた東京の姉

 私を含めて4人が一人暮らしの父宅に集まった

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 さっそく父に湿布薬を貼ってやった

 脚がヒドイ状態の私が買ってきたことが

 とても印象に残ったのか

 父は姉にこう話したらしい

 「信雄も大変だ

 脚が悪いのに、『薬』を毎日売リ歩いている

 このご時世、どれだけ売れることやら。。。」

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 翌日電話で姉は笑いをこらえながら

 この話を私に聞かせた

 最初苦笑した私だが

 「おもしろうて やがて悲しき 老父の妄想」

 という心境におちいった

 認知症がだんだん進んできたなーと

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 さてあれこれ認知症を考えていたら

 どうも人間はロボットとそっくりだな〜

 と、私も妄想にとりつかれた

 ロボットじゃ機械的すぎるから

 アンドロイドとそっくりだな〜、か

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 人間の素子は 細胞という有機物

 アンドロイドの素子は シリコンという無機物

 違いはあれども 動く原理は大体いっしょ

 どういうわけか 劣化の仕方さえそっくりだ

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 アンドロイドの脳みそは 

 コンピュータという人工知能だ

 記憶装置のハードディスクは

 古い記憶でいっぱいになると

 新しい記憶はもう入らない

 直前記憶のメモリーは 

 リセットしないと劣化して

 今今の記憶を保持できない

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 アンドロイドも人間も

 それでもなんとか生きていけるのは

 ソフトウェアがあるからだ

 ハヤブサがギリギリのリソースで

 大宇宙から戻ってきたように

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 ソフトウェアは三階層

 人間の本能は「バイオス」だ

 人間としてのふるまいは「OS」だ

 そして計算や問題処理が「アプリケーション」だ

 認知症とは「アプリケーション」が

 メモリー不足でハングするようなもの

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 お年寄りは 年を経た旧世代のパソコンだ

 若い連中は ハイスペックの最新マシンだ

 図形描画が今は1秒 昔は一昼夜

 そういう新旧世代のパソコンが

 並存している世界が人間社会

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 いみじくも コンピュータの祖ノイマンは

 現代コンピューターの原理を生殖にたとえた

 それは「オートマトンと自己増殖」という論文

 オートマトンとは 人工知能のことだ

 コンピューターは自己増殖をしていける

 つまり 人のように出産できるのだ、と

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 認知症から飛躍したが

 未来の人類は きっとハイブリッド化するだろう

 何億年、何十億年という時間をかけて

 自然は「生物」という自己増殖機能を生み出した

 それは果てしなき変容の歴史

 人間は「コンピュータ」という自己増殖機能を生み出した

 つまり「人」と「アンドロイド」とは

 自己増殖機能どうし とても近しいのだ

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 さて 第二のノイマンはいつ現れることだろう

 人間アンドロイド化の世界なら

 痛みも不自由も 今より少なくなるに違いない

 だけど。。。

 かなり引いてしまうな〜

 たぶん 私の生きる時代には実現しない

 かえってホッとするのはなぜだろう?