星の見方


『詩集ノボノボ』より

星の見方

 星取り、星占い、星飛雄馬?

 星はいつも人生とともにあり。

 太陽よりも月よりも

 暗くか弱きまたたきなのに

 その実、太陽よりも遙かに大きいお星さま。

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 かつて お星様に教えていただいた

 それは貴重な処世訓

 ものごとをまじめに考えすぎるケッペキくん

 彼は牡牛座生まれ

 星座にあるスバルを数えようと

 眉間にしわ寄せ 眼をこらす

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 ところが にらめばにらむほど

 スバルはかすみ、
 
 まなこの奥が痛み出す

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 ところがある日のケッペキくん

 生物の授業で いいことを知った

 目には二種類の細胞があるんだと

 明るい光を感じるのは

 黒目にある円錐細胞で

 暗い光を感じるのが

 白目にある棒状細胞だということを

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 そこである夜 目をそらし

 白目でスバルを見たならば

 なんと!

 六つ星を数えられるじゃないか。

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 彼はそのとき悟りました

 人生 何かを真剣に見極めようと思ったら

 少しだけ 目をそらすのがいいんだと

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 つまり 人間の脳みそも

 円錐?脳細胞と

 棒状?脳細胞とがあって

 使い分けなくちゃいけないんだなと

 大切なか弱き光を 見失わないために

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 ところが今じゃ 同意になってしまったな

 「そらす」と「逃げる」が

 同じようだが大きな違い

 そらすとは 実は見続けることなんだ

 真正面じゃなくて横目でね

 そう、おんなじ!

 きれいな彼女を そっと見るときと

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 子どもたちには

 いの一番に 教えてあげたい

 こんな 小さな知識でも

 人生の大嵐に 自分を救ってくれる

 救命胴衣になることを

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 親や先生も

 人がすでに考えたことを教えるよりも

 自分で考えぬくための こんな知恵こそ

 教えてあげるといいと思うんだ

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『見上げてごらん夜の星を』

歌:坂本九/詞:永六輔/曲:いずみたく

 見上げてごらん 夜の星を
 小さな星の 小さな光りが
 ささやかな幸せを うたってる

 見上げてごらん 夜の星を
 ぼくらのように 名もない星が
 ささやかな幸せを 祈ってる

 手をつなごう ぼくと
 追いかけよう 夢を
 二人なら 苦しくなんかないさ

 見上げてごらん 夜の星を
 小さな星の 小さな光りが
 ささやかな幸せを うたってる

 見上げてごらん 夜の星を
 ぼくらのように 名もない星が
 ささやかな幸せを 祈ってる