女と男のシーソーゲーム


(北斎漫画より)

『詩集ノボノボ』より

女と男のシーソーゲーム

 男は仕事 女は子守

 男は挑戦 女は忍耐

 男は度胸 女は愛嬌

 と、言われた時代もあったよな

 いったいいつのことだっけ。。。

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 そんな世界にあこがれる

 レトロ・ロマン系がけっこう多い

 マッチョな政治家 親分社長

 おっと、強面ばあさん評論家まで

 正直言うと 私も少し惹かれるな〜

 絶対、男が得そうだもの

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 ところが気づいた

 これは大いなる妄想だったよと

 男と女 主役と脇役は

 時代はもとより 人生さえも

 シーソーゲームであったのだ

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 チャンバラ劇を見過ぎのせいか

 江戸時代を暗黒時代と思う人がいる

 実は、歴史上希有な平和社会だったらしい

 お江戸の警察官はたった二十四人

  →江戸の警察官は24人

 殺人事件など 年に一度あるかなし

 これまたびっくりするのだが

 女性上位社会でもあったらしい

 しかも戦国時代の昔から

  →戦国時代はカカア天下

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 男が家出の三行半(みくだりはん)

 キッチンドランカー 粋な浮気は女の特権

 男は赤子をおぶってご飯炊き

 誰の子かって 野暮は聞かぬが長屋の掟

 知れば知るほどたまげてしまう

 女が主役の江戸時代

 そのせいなのかな〜

 お江戸のお人は よく笑っていたらしい

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 弥生時代はどうかといえば

 これまた 女にスポットライト

 邪馬台国のナンバーワンは

 あの卑弥呼さまじゃないですか

 今の世だって

 エリザベス女王もいれば

 メルケルさんもいる

 忘れちゃいけない、

 あなたや私のカミさんだって(?)

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 人生はどうだ?

 家路に急ぐ小学生を見てふと思う

 幼稚園や小学校は

 ぜったい女の子が大人だったな〜

 知力、体力、いや度胸さえ

 女のほうに分があった

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 逆転するのは中高から二十歳まで

 どうにもならぬは身体の構造

 女は出っ張りの栄養補給にいそがしい

 男はここぞと 頭と筋肉へ栄養を

 それゆえ少しだけ 男のほうがリードする

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 ところがまたも逆転の二十歳過ぎ

 化粧という妖術を覚えた女たち

 男たちを大いにたぶらかし

 女性上位がしばらく続く

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 男と女のラブゲーム(騙しあい?)

 やがて結婚 

 ようやく美女を囲い込んだ男たち

 子どもが生まれて女は家に

 男は会社という戦場へ

 ヤワな男も戦士に変貌

 まともな給料を運ぶうち

 男はこの時期 一点リードする

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 やがて子どもも手を離れ

 亭主の給料だけじゃ不足する

 ここで女も戦場へ

 なんとしても行きたがる

 なにせ 死ぬことはない戦場

 気晴らしできて 気持ちいい

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 アラフォーから50代

 男と女はシーソーゲーム

 とっくに忘れた青春時代

 かくして三組に一組が

 ほなサイナラと 別の道

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 さ〜 最後はどっちがリードする?

 答えはそう、女です。

 長生き、友人、老後の趣味

 生命の源、食欲だって

 どれをとっても男は負ける

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 かくして男性優位社会など

 昔からあったためしはないのです

 あこがれのマッチョな男尊女卑社会

 実は、か弱い男の夢物語なり

 さ〜 現実にかえりましょうや。。。